医師だけが治療方針を決定するトップダウン形式の医療から、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士といった医療従事者も参加してチームで治療方針を決定するチーム医療がより心臓病の人の健康を維持できるという報告が増えています。
ただ、現在のチーム医療の中に心臓病の人やその家族は入っていません。
医療を受ける側の意見や考えがうまく反映できない可能性が今のチーム医療ではあり、さらに良いチーム医療を進めるためには心臓病の人やその家族も入っていくべきと考えています。
しかし、チーム医療に参加するためには医療介護者含め、それなりの知識が必要です。医療に関する知識が何もないまま、チーム医療に参加するのはルールを知らないでサッカーの試合に参加することと同じでなにもできません。
心臓病管理士は国家資格をもった医療従事者しか受けられない心不全療養指導士や、心臓リハビリテーション指導士と同じ程度の知識、つまり、チーム医療に誰もが同等の知識を得て参加できることを目標に設定されています。
心臓病管理士の資格を得ることで、よりよい医療知識を獲得することができることが期待できます。
心臓の病気と言われたときに必要な知識を身につける
~心臓のハンデを克服して世の中で生活していくスキルを身につける
はじめに
心臓は全身に血液を隅々まで循環させ、身体をつくっている一つひとつの細胞に、酸素や栄養分を供給するとともに、細胞から不要物を回収する血液循環のためのポンプです。心臓はしばしば車のエンジンに例えられます。
そういう意味では心臓の病気は車のエンジントラブルと言っていいと思います。
車のエンジントラブルはエンジンオイルの不足、冷却器の故障、ピストンの破損など様々なものがあって、エンジンの性能がどれくらい低下するかは原因によって異なりますし、対応もそれぞれ異なります。
心臓の病気も同じように様々なものがあって、心機能がどれくらい低下するのか、どのように対応していくかは疾患ごとに異なります。
ただ、共通していえることは、
エンジントラブルのある車が長時間走っているとオーバーヒートを起こしてしまうように、心臓の病気を持っている人が健康な人と同じように生活すると容易に心不全を来してしまいます。
心不全とは心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
肺の周りや中に水がたまり、地上にいるの窒息して溺れているような状態になります。
回復するために体力を消耗し、心不全を繰り返すたびに衰弱して死に近づいていきます。つまり心臓病の成れの果てが心不全ということです。
心臓病とそれに伴う心不全は癌に次いで日本人の死因の第二位となっています。
そして心不全患者は毎年1万人ずつ増加しており、心不全患者の2人に1人は循環器専門医の診療を受けていないのが現状です。
専門医の診療を受けることができない場合もある現状では、自分の心臓の病気がどのようなものであるかを理解し、心不全にならないためにどのような手段が必要かを知り、実践することは自分の身を守るための必須の知識となりつつあります。
心臓病の人が心不全を来してしまう理由として挙げられる主なものは
1)食べ過ぎ、飲み過ぎ(塩分や水分の摂り過ぎ)
2)運動や寝不足による過労
3)インフルエンザや肺炎などの感染症
4)薬の飲み忘れ
とされ、これだけで心不全によって入院する原因の2/3を占めるという報告もあります。
この4つをみてお気づきになった方もいるかもしれません。
そう、生活習慣のコントロールで心臓病の人が心不全を回避することができる可能性があります。
実際に生活習慣の改善がいかに重要であるか示した報告があります。
心臓病の人が、生活習慣を改善することはどのような薬よりも効果が高いと言うことが示されています。
心不全予防は手術や薬だけでは不十分で、心疾患を持っている人が、自分の病気を理解し、生活習慣や生活環境を自分の心機能にあわせて調整し続けるための知識を身につけ、実践する必要があることが様々な臨床研究で報告されるようになりました。
しかし、現在の医療現場ではそのような知識を身につける場がほとんどなく、検査、処方以外何もなされていないことがほとんどです。
いまの日本では少しずつそういった知識を伝える教育の取り組みは始まっているものの、心不全の知識を得るための教育を外来で行っている病院は総合病院のうちのわずか7%にすぎないとされています。(Circ J 2019; 83: 1546 ー1552)
なぜでしょうか。
医師の外来は3分診療と揶揄されるように、患者数が多くとても病気についてゆっくりお話しすることはできません。
また、知識を持ったスタッフが常に外来にいるわけでもありませんので、心臓病の知識を系統立ててお伝えすることは現在の医療システムでは困難であることが現実です。
また、医療従事者側の問題だけではなく心臓病を抱えている方は長時間の移動や、長時間の講習に参加すること自体が困難な方も多いのも事実です。
実際に患者様を集めて話をしたとき、利尿剤を内服している患者様は30分に1回はトイレに立たれるため、落ち着いて話を聞くことができなかったと嘆いていらっしゃいました。
心臓病の知識を得ていただくためにはやはりそれなりの時間をかけねばなりません。
今回のセミナー内容もそれなりに絞ったつもりですが、かなりの時間になってしまっています。
時間がない病院側と時間がかけられない心臓病の方が対面で心臓病の知識を伝えることがいかに困難であることを考えると、好きな時間、好きな場所で(入院中のベッドの中でさえ)しっかり知識を伝えることができるオンラインセミナーは心臓病の知識を得るために最もふさわしいツールといえるでしょう。
オンラインで行いますので
【時間】と【場所】を選びません。
あなたの学びたい時間に、
いつでも。どこでも。
学びたい場所で受講可能です。
パソコンやスマートフォンでも受講可能で、
繰り返し学ぶことが可能です。
オンラインセミナーを通じて、心不全で苦しむ人を少しでも減らしたい、このセミナーはそんな私のチャレンジでもあります。
本セミナーを受講対象は以下の方々です。
1)心臓病の方
2)心臓病を持つご家族がいる方
3)医療福祉関係者の方
4) スポーツジムのトレーナーなど
5) ホテル、旅行業など人に対するサービス業のかた
他、学びたいかたはどなたでも受講することができます。
本セミナーを受講することで以下のことができるようになることを目標にしています。
○心臓病について理解できる。
○心臓病についての知識を正しく得る方法を身につける。
○心臓病の治療法にどんなものがあり、自分や対象者に合った治療法の選択について考えることができる。
○なぜその薬を飲み、どのように付き合っていけば良いかを理解することができる。
○心臓病が悪化して心不全にならないための食事を理解できる。
○心臓病を持っていてもどれだけ趣味(旅行やスポーツなど)や日常活動ができるか理解できる。
○心臓病で利用できる社会的資源がわかる。
○心臓病で最期を迎えるときに何が必要なのかを理解できる。
○資格試験に必要な知識の整理ができる。
本セミナーは
1)正常な心機能のしくみ
2)心臓の病気にどんなものがあり、どのような治療法があるのか
3)心臓の病気になったときにどのようにしたらよいのか(疾患別、心臓病一般)
を現役の循環器医師である私が実際に診療してきた経験と、診療ガイドラインなどの最新情報を交えてレクチャーしていく予定です。
どの部分も一つで完結するように20-30分程度で構成する予定です。
全部通して視聴しなくても、ご自身の気になる項目だけを視聴して、自由に知識を深めていただければと思います。
本セミナーを心臓病の方やそのご家族に少しでも視聴していただくことで、心不全に苦しむ方が少しでも減ってくれることを願って。
日産厚生会玉川病院 循環器内科
小野 剛
無料試聴動画は
こちらから
https://youtu.be/oLZbolmc61I
講師 循環器内科医師 小野剛
演奏 ガットギタリスト 望月雄史
以下は心臓病管理士資格についての説明です。(説明が重複する箇所もあります。)
心不全患者は2035年までに
急激に増え続けるといわれており
心不全パンデミック時代到来
ともいわれております。
心不全患者は、
毎年1万人ずつ増加しており、
心不全患者の
2人に1人は循環器専門医以外が
診ていると言われています。
心臓病の入院の後に体力が消耗し、
通院困難になったり、
自宅に帰ることもできず、
施設に入所したりすることにより
循環器専門医以外に往診をお願いする形になることもしばしばあります。
心臓病加療を行った後の患者さまを適切に管理するためには医師だけではなく、
心臓病の方やそのご家族、
心臓病の方にかかわるすべての医療や介護関係他の職種の方が
それぞれの視点から知識を持って管理をしていくことが大切で、
実際に適切な管理をされた心臓病患者さまがより健康に生活できることは近年様々に報告されています。
逆に
心臓病に関する知識がないまま管理されることで
食欲がないのに利尿剤内服を継続され、
脱水や腎不全をきたしてしまったり、
塩分制限さえしていれば入院しなくても済んだところを
ほかの人と同じ食事を出されて心不全が悪化して入院してしまったりするケースが
残念ながら現在もしばしば起きています。
心臓が悪くなってしまった人でも、正しい知識や情報に基づいて生活すれば、心不全にならないで豊かな生活が送ることができます。
でも、知識はどこで手に入れたらいいのでしょうか?
皆さんも病院へ行くとわかると思いますが、
病院で薬をもらっても知識をもらうことはほとんどないと思います。
ただ、心臓病に関する知識はそれなりの量があり、きちんと系統立てて説明するには時間がかかります。
このセミナーは心臓病を持っている人が最低限理解しておかなければいけない知識を、現在日本の循環器学会が出しているガイドラインなど最新の知見に基づいてできる限り系統だて、まとめたものです。
心臓病を理解し、心臓病の方やそのご家族が元気に生活できるように
心臓病の人にかかわる医療介護従事者の方も含めて心臓病の人に対してどのように携わればよいか理解できるように作成しています。
このセミナーを受けた方には心臓病管理士という資格を差し上げる予定です。
世の中には心臓病に対する資格はいくつか存在していますが、国家資格を持っていない医療従事者や、一般の方が受講できる資格は現時点ではみつかりません。
この資格を持つだけの知識があれば、循環器の専門家ときちんと治療について話し合うことができます。
資格と対象
☆心臓病管理士
心臓病を持つ方の普段の生活のセルフマネジメントについて学びます。
心臓病を持つ患者様やそのご家族、医療介護従事者、医学部生、看護学生、理学療法士、作業療法士、栄養士、薬剤師、製薬会社、一般企業管理など、18歳以上のかたで、
学びたい方なら
どなたでも受講資格があります。
講座終了時に選択方式の終了問題をお出ししますので解答をメールにし、
題名を心臓病管理士認定証発行とし
送ってください。
☆上級心臓病管理士
より専門的に
心臓病を管理するための知識を学び、
心疾患について循環器専門医とカンファレンスを行うことができるレベルを目指します。
心臓病を持つ患者様の管理をおこなう
循環器医以外のすべての医師は
上級心臓病管理士から受講頂けます。
医師以外の方は、心臓病管理士資格を取得後、
さらなる知識の向上をしたい方は
上級心臓病管理士資格取得講座へお進み頂くことができます。
講座終了時に選択方式の終了問題をお出ししますので解答をメールにし、
題名を心臓病管理士認定証発行とし
送って頂きます。
資格更新や更新費のご負担を考え
更新制度を排除し、メルマガで情報をお取り頂けるようにいたしました。
[多忙な医師や入院中の方にも対応]
好きな時間、好きな場所で繰り返し学ぶことができるeラーニング形式のオンラインセミナーです。資料はダウンロード形式です。
パスワードログイン形式で
【時間】と【場所】を選びません。
パソコンやスマートフォンで受講可能です。
入院中のベッドからでも知識を得ることができます。
オンラインセミナーを通じて、心不全で苦しむ人を少しでも減らしたい。
心臓が悪いからと
引きこもりがちな人を減らしたい。
このセミナーはそんな私のチャレンジでもあります。
日産厚生会玉川病院 循環器内科部長
小野 剛
音楽療法としてセミナーには
当法人の音楽療法資格取得セミナーを担当しているプロギタリストの望月雄史が
音楽を1曲1曲演奏し
セミナーの背景に音楽をつけています。
主催事務局
一般社団法人
Loveセラピープロジェクト